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ヒップホップの四大要素の1つ「MC(ラップ)」の誕生について簡単に説明します。

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歴史や文化

 

 

nekuradjです。

 

今回はヒップホップの歴史を振り返りつつ「MC(ラップ)」というものが、どのようにして生まれたのかをヒップホップ初心者向けに簡単に紹介していきたいと思います。ヒップホップに十分理解がある方にとってこの記事は、きっと物足りない内容となっていることでしょう。笑

 

改めて振り返りの意味でサラッと読んでお付き合い頂ければと思います!

 

ヒップホップとは “文化” である

 

突然ですが

「ヒップホップとは?」と聞かれて真っ先に想像するものって何でしょうか?

 

おそらく「ラップが入った音楽」もしくは「ダンスのジャンル」と想像される方が多いのではないでしょうか。確かに「ヒップホップ」という音楽ジャンルやダンスは存在しますが、、、「ヒップホップ」という言葉自体は実は音楽やダンスだけを指す言葉ではない!という事を今回覚えておきましょう!

 

ではヒップホップにはどんな構成要素があるのかをこれから紹介します。

 

ヒップホップの四大要素

 

ヒップホップ好きな人たちの間で最も認知されているのは、ヒップホップには大きく4つの要素から成り立っているという話です。これを四大要素と呼びます。

① MC(ラップ)
② DJ
③ ブレイクダンス
④ グラフィティ

これら4つの要素を総称したものが「ヒップホップ」と呼ばれています。

 

「ヒップホップ」はその歴史を遡っていくと、黎明期(1970年代)にアメリカ、ニューヨークの一部貧しい地域で育った黒人たち(特にアフリカ系アメリカ人)の間で嗜まれていた様々な娯楽を集合させた1つの文化」を指す言葉なんです。

 

そんな貧しい地域で育った黒人たちが最初は内輪で楽しむ目的だけで行なっていた娯楽が、今では世界中に愛される音楽ジャンルの1つとなっていることや、その音楽ジャンルがまさかセレブの道へ続いていることなど、当時の人たちは全く想像もしなかったことでしょう。

 

その娯楽の中に「MC(ラップ)」という要素があったんです。

 

MC(ラップ)の先駆け

 

時代は遡りますが1960年代、当時は世界各国から多くの人々が仕事を求めてアメリカへ移民として移り住む人が急増します。その多くは低所得者用の公団アパートが建ち並ぶ、ニューヨークにある「ブロンクス」「ハーレム」といった地区でした。

 

そこに住む人々はもちろんお金に余裕がありませんので、ディスコやバーに行って遊ぶことなんて出来ません。しかしラジオを聞いていても流れてくる音楽はほとんどが白人好みの音楽ばかり。そんな毎日はとても退屈で、それがブロンクスに住む黒人たちにとってはなかなか受け入れられないものでした。

 

そこで考えた結果「じゃあ自分たちの好きな音楽をかけて遊ぼう!」と、各自の自宅にあったスピーカーやレコードプレーヤーなどを外に運び出し、近くの公園から電気を引っ張り出し、近所の仲間同士で独自にパーティを行うようになったのです。これは後に「ブロックパーティ」と呼ばれ、この行いがヒップホップの先駆けと言われています。

 

当時のブロックパーティの様子

出典:fnmnl.tv

 

徐々にブロックパーティは話題となり至る所で開かれ、1970年代のブロンクスでは盛んに行われていた娯楽となっていたそうです。

 

そんな中、レコードをかけていたDJは次第にマイクを持ち

「ヨー!ヨー!」「みんな盛り上がってるかい?」「調子はどうだい?」

と周囲を煽り始めるようになります。これにお客さんが返答することでさらにパーティは盛り上がりを見せます。当時ブロックパーティではこれを「トースティング」と呼んでいて、次第にDJの間では定着した行為となります。

 

実はこれがMC(ラップ)の先駆けと言われてます。今もクラブに行くと、DJの横でお客さんを煽っているサイドMCと呼ばれる人がいますよね。それはこのトースティングが原点になっているのです。

 

後にDJのパフォーマンス性がどんどんレベルアップしていったことで、次第にDJはよりプレイに集中する必要があったため、DJとMCは分業化され「喋り」だけのポジションというのがブロックパーティでも当たり前になっていきます。

 

分業化したことで喋りが専門になった人(MC)は、どんどん言葉巧みにお客さんを煽っていくようになります。そんな中で生まれたのが「Check it out(チェケラッ)」「You Don’t Stop(ユドンスタッ)」みたいなラップでよく聞くような言葉たちです。

 

こういう言葉は、実際に誰が最初に言い始めたかはわかってませんが「それイイね!俺も使うわ!」的なノリでMCたちの間で広まり、気付いたらみんなが使うようになっていったと言われております。

 

“MC”という言葉の意味

 

「MC」とはいったい何という言葉の略なのか?と疑問に思う方もいますよね。

 

いくつか解釈があるようですが

Master of Ceremony(マスター・オブ・セレモニー)

の略という解釈が一般的です。直訳すると司会進行。テレビ番組の司会者がMCと呼ばれるもこれが理由でしょう。

 

1980年代に活躍したRun-D.M.C.

Microphone Controller(マイクロフォン・コントローラー)

と表現したり、

 

ヒップホップの歴史上で相当な影響力を持っているMCのRakim

Move the Crowd(ムーヴ・ザ・クラウド)

と「群衆を動かす」という意味でMCを表現したりしてます。ヒップホップ的な解釈でいうとRakimの「Move the Crowd」が一般的に周知されているようです。

 

“ラップ”という言葉が広まったきっかけ

 

ヒップホップを語る上で必ず出てくるのが、1979年に突如現れたThe Sugerhill Gang(シュガーヒル・ギャング)というグループです。

 

The Sugerhill Gang

出典:wnycstudios

 

このグループがリリースした「Rapper’s Delight」というシングルはラップのレコード化に世界で初めて成功したヒップホップリスナーであれば、誰もが知る曲です。

 

Rapper’s Delight / The Sugerhill Gang

 

このシングルがヒットした事でメディアに大きく取り上げられ「ラップ」という言葉が世界中に広まったと言われております。

 

という事で「ラップ」はメディアが広めた言葉であったため、当時のMCたちの間では「ラップ」や「ラッパー」という言葉を毛嫌いする人も多く、四大要素は「ラップ」ではなく、あくまで「MC」と主張される人も多いです。日本ではあまりそういったイメージは薄いと思いますが・・・。

 


 

ということでMCの誕生をヒップホップの歴史を振り返りながら重要な部分を特に掻い摘んで紹介させて頂きました。

 

余談ではありますが、フリースタイルダンジョンなどの影響か、最近路上で学生やサラリーマン風の人たちがサイファー(複数人で輪になり即興でラップすること)をしているところをよく見かけます。ホント物凄いラップブームが巻き起こってます。個人的にはビーフなノリは日本では全く好まれない文化だと思っていたので、こんなにもMCバトルブームが来るとは思ってもみませんでした。ホントすごいですよね、、、笑

 

四大要素の他の要素についてもいずれ紹介していきたいと思います。

 

では今回はこの辺で。

 

最後までご覧いただきありがとうございました。

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