nekuradjです。
今回はG Funk(Gファンク)というヒップホップの音楽ジャンルについて、ヒップホップ初心者向けに簡単に紹介してみます。
「Gファンク」ってなんとなく聞いたことはあるけど「西海岸あたりの音楽なんだろーなー」とか「ドレー(Dr Dre)とかスヌープ(Snoop Dogg)あたりの音楽でしょ?」くらいで知識が止まっている人には、この記事で是非Gファンクの知識をより深めてもらえたらと思います。
Gファンクの音楽性や最初に始めた人物なんかをお話していきます。
Gファンクってどんな音楽?
文で長々と書いても早々に離脱されそうなので。笑
まず先に「Gファンクってどんな曲?」ってところから紹介したいと思います。
まずはこちら(Gファンク)の曲をお聴きください。
Nuthin’ But A G Thang / Dr Dre feat. Snoop Doggy Dogg
ヒップホップの音楽を聴き漁っていれば、必ずどこかで出会うであろうこの曲。
Gファンクの第一人者であるヒップホップ界のトッププロデューサー、ドクター・ドレー(Dr Dre)
ドレーの作り出した音楽がいわゆる世間一般で知られる「Gファンク」と言われる音楽です。
「Gファンクを知る」という観点で聴くのであれば、ドレーのデビューアルバム「クロニック(The Chronic)」は必聴です。
ちなみにGファンクのGは「ギャングスタ(Gangsta)」のGと言われております。
出典:discogs.com
このアルバムがGファンクはもとよりヒップホップの歴史上どれだけ重要なアルバムであるかが分かるニュースが、つい最近(2020年3月)飛び込んできました。
なんとドレーの「The Chronic」がアメリカの歴史的に「文化的、歴史的、また審美的に重要」な録音物であるとして、米国議会図書館の「国家保存重要録音物登録簿(The National Recording Registry)」に登録されたのです。
国家保存重要録音物登録簿は、過去に黒人への差別の撤廃を訴える公民権運動の若き指導者「マーティン・ルーサー・キング(キング牧師)」のスピーチなども登録されている、歴史上非常に重要な録音物が登録される国家保存重要録音制度です。
Gファンクの音楽の特徴
ではどんな音楽をGファンクと呼ぶのか?
これに関してはファンの間で少し意見が別れるかもしれませんが、、、
俗にいうGファンクは以下の要素を多く含んでいると言えます。
・P-Funkから影響された歪んだベースライン
・Zappから影響されたトークボックス感
まず1つ目にあげた「高音のシンセメロディ」は間違いなくGファンクならではの音楽と言っても過言ではないでしょう。Gファンク要素の中では一番有名な要素ではないでしょうか。
Ghetto Bird / Ice Cube
Serial Killa / Snoop Doggy Dogg
2つ目に挙げた「P-Funkから影響された歪んだベースライン」
こちらもGファンクならでは!って感じのサウンドです。
G Funk(Intro) / Snoop Doggy Dogg
そもそも「P-Funk」とは?というところも軽く触れておくと、、、
ファンク(FUNK)という音楽が最高潮に盛り上がりを見せていた1970年代に活躍したジョージ・クリントンという人物が率いていた2組のファンクバンド「パーラメント(Parliament)」と「ファンカデリック(Funkadelic)」の音楽やその構成メンバーの行う音楽を指すジャンルが「P-Funk」と呼ばれます。
このP-Funkのベースラインを多くサンプリングされたことからGファンクと呼ばれる要因にもなりました。
Flashlight / Parliament
そして3つ目に挙げた「Zappから影響されたトークボックス感」これはZapp & Rogerに代表されるトークボックスの音色をサンプリングしたものになるわけですが、まさに「California Love」なんかが代表されるでしょう。
California Love / Zapp & Roger
California Love / 2pac feat. Dr Dre
とまあ、世間一般的に知られるGファンクというのは以上のような要素が含まれる音楽ジャンルのことをいいます。
Gファンクを最初に始めたのは誰?
では、Gファンクは誰が最初に始めた音楽だったのでしょうか。
Gファンクという音楽ジャンルを早くから世に広めたラッパーである「ウォーレンG(Warren G)」は過去のインタビューで
と話していることから、Gファンクの生みの親は「Above The Law」ということになります。
Black Superman / Above The Law
確かに高音のシンセがガッチリ鳴っていてザ・Gファンクって感じですね。
ウォーレンG的なGファンク
Wikipedia大先生によるとGファンクには2つの潮流があると言い
ひとつはドクター・ドレーを始めとするデス・ロウ・レコードに所属していたアーティストに代表される殺伐としたサウンド、もうひとつはウォーレン・Gに代表されるくつろいだ雰囲気のサウンドである。
とのこと。
先ほどまで紹介していたのはいわゆるドレー(デスロウ)側のサウンドということですね。
ではウォーレンGに代表される「くつろいだ雰囲気のあるサウンド」とは一体どんなGファンクなのでしょうか。
Regulate feat. Nate Dogg / Warren G
Gangsta Love / Warren G
So Many Ways / Warren G
I Need A Light / Nate Dogg feat. Warren G
なんとなく分かりますね。先ほどのドレー系の音楽よりかは少しゆったりした雰囲気というか、シンセの音も高過ぎず、でもベースラインはしっかりGファンクっぽいというか。
そして個人的には何より「Regulate」なんかを聴いてもらえればわかると思いますがWarren Gと度々共演するNate Doggの声色がなんとも癒されます。
というわけで、Gファンクについて簡単にご説明させてもらいました。
最近ではヒップホップもかなり多彩化してしまっているため、一口にヒップホップと言っても様々なジャンルに枝分かれしております。
かなり簡単な説明にはなりましたが、今後もヒップホップの各ジャンルにおける紹介記事はあげていきたいと思います。
それでは今回はこのへんで。
最後までご覧いただきありがとうございました。