nekuradjです。
今回は「バトルDJ」というタイプのDJについて
簡単にご紹介していこうと思います。
バトルDJは、別名「ターンテーブリスト」とも呼ばれています。
今、世界中にはさまざまなタイプのDJがいます。
例えば、、、
- クラブDJ
- バトルDJ
- ラジオDJ
- ライブDJ など…
今回はこのバトルDJ(ターンテーブリスト)がいかに他のDJと比べて一際ストイックでかつ、超人的なスキルを持っているかをご説明したいと思います。
このブログは「ヒップホップ初心者」や「DJ初心者・未経験者」へ向けた基本的な情報を発信するブログです。内容が物足りないと感じてしまう方には申し訳ございませんが、今後回を増すごとに少しずつ内容を深掘りしていく予定ですので、ご理解いただければと思います。
ターンテーブリストとは、何者?
DJ業界で圧倒的多数を占めるタイプである「クラブDJ」は、その場の雰囲気に合わせた選曲とミックス(曲を繋ぐ)スキルが重要になるというお話は以前の記事でさせてもらいました。(クラブDJに関する記事はこちらからご覧ください。)
それに対しバトルDJ(ターンテーブリスト)とはDJ機材(ターンテーブルやDJミキサー)を使って、リズムキープを基本とした「スクラッチ」や「ビートジャグリング」といったスキルを競い合うタイプのDJで、クラブDJのように選曲で盛り上げるのではなく、パフォーマンス性を重視したプレイを主体として場を盛り上げるDJのことを指します。
DJ機材を楽器のように扱った特殊な奏法を専門にプレイするタイプのDJです。
その技術をクラブDJのプレイに応用することができれば、選曲やミックスのスキルに加えてパフォーマンス性に有利なDJになれるので、他のDJより圧倒的なスキルの差を見せつける事が出来ます。
ほとんどのバトルDJは日々技術を磨く一方で、週末はクラブDJもこなしている人が多いと思うので、そういったDJが近くのクラブでプレイする機会があれば是非見に行ってみてください。他のDJのプレイと比べてきっと惹きつけられるものがあると思います。
ターンテーブリストに必要なスキル
続いて、バトルDJ(ターンテーブリスト)がどんな技術を競い合っているのかをご紹介します。
まず、必要不可欠な技術は先述した通り
- スクラッチ
- ビートジャグリング
この2つがバトルDJの評価に関わる大きな軸となります。
これに加えて「ボディトリック」というトリッキーな技(後で紹介します)や、最近ではPCDJの普及により、DJプレイの幅も大きく広がったことで「トーンプレイ」といった技術(後で紹介します)も流行しておりますが、まずは大前提としてスクラッチとビートジャグリングのスキルがバトルDJにとっては必要不可欠であり、そもそもこの2つの理解がなければターンテーブリストという土俵に上がることが出来ません。(と、筆者は考えます。)
スクラッチ(Scratch, Skratch)
まずは大軸の1つであるスクラッチという技術について説明します。
「スクラッチ」はDJを知らない人でも1度は聞いたことがあるんじゃないかと思いますが、簡単に言えば「レコードを前後に動かす動作」です。(よく素人の人がDJのジェスチャーするときに手を前後に動かして「ジュクジュク」するやつです。)
ただ、ここではもう少しだけスクラッチの奥深さについて触れたいと思います。
それはスクラッチの最中にレコードに触れていない「反対側の手」は何をしているのか。という話です。実はこの反対側の手もスクラッチをする際に非常に重要になってくるんですよね。
反対側の手は何をしているかと言うと、DJミキサーに付いているクロスフェーダーの操作をしています。
以下の赤丸で囲った部分がDJミキサーに付いている「クロスフェーダー」です。
この2つを上手く織り交ぜることによって生み出される技が本当のスクラッチと呼べるものです。
クロスフェーダーって何〜?
以前DJミキサーに関する記事も書いておりますのでお時間あればこちらも合わせてご覧ください。
、、、と説明はしたものの、やはり文だけではなかなか伝わらない部分も多いと思います。
そんなときは
百聞は一見に如かず!
ということで、スクラッチ動画を早速見てもらいましょう。
「スクラッチの神様」と崇められるDJ Q-bert(DJキュー・バート)のフリースタイルスクラッチ動画です。
※動画は5:00辺りから始まります。
Q-BertはDJの歴史上スクラッチの技術を一気に押し上げたまさにレジェンド級な存在です。手の前後の動きにしてもクロスフェーダーを使ったスクラッチにしても、まさに神の領域に達しているお方です。
動画を見た方であればわかると思いますが、レコードの動きの速さによって、同じ音を使っても高い音が出たり低い音が出たり様々な音が鳴っているのがわかると思います。一見単純に思えるレコードの前後の動きがこんなにも変幻自在な音を奏ですることができるのがスクラッチの魅力と言えるでしょう。まさに楽器を演奏しているような感覚ですね。
ビートジャグリング(BeatJuggling)
続いてもう1つの軸であるビートジャグリングについて説明します。日本では「2枚使い」とも言われます。
左右のターンテーブルに同じレコードを置いて通常の曲とは違うリズムを生み出していく技術です。(必ずしも同じレコードとは限りませんが、、、)
これもやはり動画を見た方が早いと思いますので、まずはこちらをご覧ください。
DJ Angelo(DJアンジェロ)氏のビートジャグリング動画です。
※2:48くらいから始まります。
なんとなく、おわかりいただけましたか?
基本的にビートジャグリングはドラムのキック(ドン!)の部分とスネア(タッ!)の部分を使って、既存の曲を崩していく技術ですが、上級者になると楽器の音や、その他細かい音を拾ってはめ込んだりとビートジャグリングのパターンは無限大です。これがキレイにハマるとカッコイイんですよね。
ボディトリック(Body Trick)
先ほどのスクラッチやビートジャグリングを普通に行うのに飽きた変態ターンテーブリスト達が、体をくねらせたり、手をクロスさせたり、体を回転させたりしながらレコードタッチする技法です。(もちろん変態とは良い意味です。)
以下、参考動画です。
マイアミを拠点として活動するDJバトル界隈で知らない人はいないDJ Craze(DJクレイズ)氏
※3:08くらいから始まります。
まさに神業です。
ターンテーブリストってこういうの当たり前にやるんですよね。ホント尊敬します。
クラブDJと差がつくのもわかりますよね。
トーンプレイ(Tone Play)
最後にトーンプレイという技法をご紹介します。
トーンプレイは、ある曲の一部分を使って別の曲を引き直して曲を繋ぐという技法です。
「弾き直す」というのがいまいちピンとこない方もいると思うので、こちらも参考動画を用意しました。
北海道を代表するDJ TAMAさんによるトーンプレイ動画です。
※0:27くらいから始まります。
動画のスタートでは、Major Lazer の「Lean On」という曲が流れてます。
その後すぐにLean Onの一部分の音を使って
J.Balvin & Willy William & Dilon Francis の「Mi Gente」
という曲を弾き直して曲を繋げています。
曲の構成がしっかり把握できてないと出来ない技ですね。
その後もトーンプレイが続きますので、是非続けて見てください。
動画を見るとわかるようにトーンプレイをするには、DJミキサーに「CUEパッド」が付いてることやミキサーとは別にコントローラーを繋げなければトーンプレイは簡単には出来ません。(パットがあれば簡単という訳ではありませんが…)
ただ機材の進化によってトーンプレイも一般的な技術となってきているのは事実です。
という事で、バトルDJ(またの名をターンテーブリスト)に関する記事をまとめてみましたが、なんとなくどんなことをやっているDJなのか、またターンテーブリズムが他のDJプレイとは違って、特殊でかつ繊細な世界であることは感じられたと思います。「スクラッチ」や「ビートジャグリング」などそれぞれの分野にスポットを当ててもう少し深掘りした記事も今後書いて行きたいと思います。
それでは今回はこのへんで。
最後までご覧いただきありがとうございました。