nekuradjです。
ヒップホップ用語集「第三弾」です。
前回に続きヒップホップ用語についてラップの歌詞や、ラッパーやDJなどヒップホップ好きな人たちの会話の中でよく出てくる用語をまとめてみました。
ネットで「ヒップホップ用語」と検索すると、ほとんどのサイトが「アルファベット順」や「五十音順」で紹介されてることが多いなと思ったので、ここでは「シーン別」にして場面ごとに用語をまとめる形式でヒップホップファンの日常に出てくる用語を紹介していこうと思います。
シリーズ化したタイトルなので、そのまま「日常で使える」なんて書いちゃいましたが、今回は「悪い意味」のヒップホップ用語なので、友達同士でギャグみたいな感覚で使うのは全然問題ないと思いますが、あまり日常で使うことは好ましくないですね…笑
どのシーンにおいてもそうかもしれませんが、ヒップホップ用語とかスラングっていうのも日々更新されていきます。その時代の人気ラッパーなどが新しいスラングを使い始めると、すぐにファンの間で広まりつい数ヶ月前まで流行っていた言葉は「古い」と考えられ死語扱いされることも多いです。
日本の流行語もそうですよね。去年流行っていた言葉も今聞くともう古い感覚がすると言うか。若者の間でも流行りは日々移り変わります。今年は「ワンチーム」とか色んな企業も日常的に使ってますが、きっと来年の今頃はもう「古い」言葉になってしまっているかもしれません。
そんな中でも、完全に確立している(であろう)不動のヒップホップ用語を紹介していきたいと思います。
悪い意味で使われるヒップホップ用語
人をけなしたり、ののしったりするときに使われるフレーズなのでくれぐれも特に海外なんかでそんな言葉は使わないようお願いします。笑
ディスリスペクト(Disrespect)
さっそく定番いきます。もう現代で知らない人はほぼいないんじゃないでしょうか。
ディスリスペクト(Disrespect)は「リスペクト(Respect)」=「尊敬」という名詞に、「不」を意味する「ディス(Dis)」が付いてできた言葉であり、「無礼なことを言う」という意味があります。
日常でよく聞くのはディスリスペクトを略して「ディスる」とか「ディスってる」とか使われます。「相手をけなす」とか「悪口を言う」みたいなニュアンスです。
もともと「ディス」という言葉が流行り始めたきっかけは、2007年に「リンカーン」というTBS系列で放送されていたバラエティー番組で、芸人が普段交わることがない人々と1週間生活を共にするというドキュメンタリー企画「世界ウルリン滞在記」で、中川家の剛が「練マザファッカー」にラップを教えてもらうために弟子入りして最終的には「B-BOY PARK」にまで出演するという物語なんですが、練マザファッカーのメンバーが「お前それ、ディスってんの?」と剛を煽るシーンがウケてからこの言葉が流行り始めたイメージがあります。
おそらくリンカーンという番組で練マザファッカーを知った人たちも多いと思いますし、練マザファッカーといえば、ボスのD.O(ディー・オー)が番組内でよく使っていた言葉から「メーンの人」とか自分の周りには言っている人もいました。
ぶっちゃけ練マザファッカーって、そもそもめちゃくちゃ有名なラップグループだったので、むしろよくこの企画へのオファーをOKしたなと当時は思って観てました。笑
セルアウト(Sellout)
これもロックやヒップホップ界隈ではよく聞く言葉ですが、ヒップホップを聞かない人からするとあまり馴染みない言葉かもしれません。
セルアウト(sell out)は直訳すると、「売り切れ」とか「完売」の意味があります。売り切れるとは良いことなのに、なぜこれが悪い意味なのでしょうか。
実はこの「sell out」という言葉は「(仲間)を売る」=「裏切る」という別の意味もあります。
「裏切る」という意味以外でも、商業的な目的や売名のために活動している人たちのことも「あいつは偽物でセルアウトだ」と揶揄する表現としても使われます。
ワック(Wack)
これもラッパーの間では頻繁に出てくる言葉です。
意味は「有害」「最悪」「カッコ悪い」「ダサい」「下手くそ」「偽物」「馬鹿げている」などなど・・・もうマジで悪い意味しかないです。どう転んでも悪い意味しかないです。笑
MCバトルなんかでも相手を「ワックMC」とか言ったりするシーン見ますよね。罵る系の言葉の中では一番使いやすい言葉なのではないでしょうか。
ヘイト(Hate)、ヘイター(Hater)
最近はオンラインゲームなんかでもよく使われる言葉です。
ヘイト(Hate)は直訳すると「嫌い」や「憎む」と言う意味があり、ヒップホップ界隈ではヘイター(=「憎む人」)の方がよく使われる気がします。
掲示板やSNS、YouTubeのコメント欄などに匿名で批判や文句など悪口を書いている人たちのことを指したりします。簡単に言えば表に出てこないで陰口ばかり言うような人、何においても批判ばかりする人たちのことです。
ビーフ(Beef)
むしろこれは用語というより、ヒップホップの文化とも言える言葉でしょう。
ビーフ(Beef)意味は「喧嘩」や「揉め事」です。
今まで紹介したヒップホップ用語は、直訳からなんとなく意味が掴めましたが、ビーフ(Beef)に関しては難しい…というか多分わからないはず。笑
諸説あるようですが一番有名なのは、アメリカのファーストフードチェーン店「Wendy’s(ウェンディーズ)」が「McDonald(マクドナルド)」のハンバーガーより自社の方が牛肉のパテの量が多いことをアピールするために作ったTVCMで、CM中におばあちゃんがパテの少ないハンバーガーを見て、「Where’s the beef?(肉はどこ?)」と言い、その皮肉ったセリフが転じてヒップホップにおける抗争を「ビーフ」と呼ぶようになったそうです。
その時のウェンディーズのCMがYouTubeにアップされてました。
このCMが「ビーフ」という言葉ができるきっかけになっているとしたら、なんか面白い話ですよね。
ということで、シーン別のヒップホップ用語の今回は「悪い意味」で使われる用語を5つご紹介させていただきました。
先述したように、日常生活でこういった言葉を使うのは好ましくありませんので、あくまで自分の知識としてインプットすることにとどめて頂くか、使うとしても仲の良い人たちの間でギャグとして使う程度にとどめて下さい。笑
ではおさらいしましょう。笑
- 誰かをけなしている場面を見かけたら「それ、ディスってんの?」
- 有名になるため自分を捨てた仲間には「セルアウトだな」
- とにかく嫌いな相手には「ワック野郎」
- 影でコソコソ悪口言う奴には「ヘイター野郎」
- 揉め事を見かけたら「あいつらビーフだな」
コレです。笑
こんな感じで今後もシーン別のヒップホップ用語特集は続けていきたいと思います。
それでは今回はこのへんで。
最後までご覧いただきありがとうございました。