ここ数日はヒップホップの音楽ジャンルの紹介をすることが多いので、その流れで過去の似たような記事をリライトしていこうと思いました。
今回は「Mixture Rock(ミクスチャー・ロック)」という音楽ジャンルについてご紹介します。
僕自身ミクスチャーについてはあまり明るくなくて、この機会に読者の皆さんと一緒に勉強できたらと思い記事にすることにしました。
僕個人の印象ですが、世間の認知度としてマイナーではないけどメジャーと言われるとそうでもないような。そんな立ち位置ではないでしょうか。
Mixture Rock(ミクスチャー・ロック)とは?
Mixture Rockとはロック・パンク・ハードコアのバンドがヒップホップの音楽要素を取り入れたジャンルのことを指します。Mixture(ミクスチャー)は直訳すると「混合」という意味なので他の音楽ジャンルをクロスオーバーさせることから付いた名前でしょう。
ただしどの音楽ジャンルを混ぜてもミクスチャーと呼べるわけではなくあくまでロックがベースにあり、そこに「ヒップホップ」や「レゲエ」など黒人音楽の要素が混ざった場合に「ミクスチャー」と呼ばれる事が一般的なようです。
実は「ミクスチャー」は和製英語
ミクスチャーという言葉はそもそも和製英語だそうです。
「ミクスチャー(mixture)・ロック(rock)」という言葉は和製英語である。よって、基本的に日本以外では通用しない音楽用語である。
引用元:wikipedia
誰が言い始めたかはわかりませんが、ちなみに海外ではこういった混合させたジャンルのことは「Crossover(クロスオーバー)」と呼ぶのが一般的だそうです。
元々1970年代前半に日本ではモダン・ジャズの帝王と言われるジャズ界の巨匠「Miles Dewey Davis III(マイルス・デューイ・デイヴィス3世)」やジャズ界を牽引していたアメリカのミュージシャン達が当時停滞気味だったジャズシーンに新たなムーヴメントを起こすべく、当時流行っていた電子楽器などを取り入れ新しいジャズスタイル(ジャズ・ロックやエレクトリック・ジャズ)を確立させ、ジャンルの垣根を越えた、文字通り「クロスオーバー」させた音楽を流行らせたことが起源となっているそうです。
ミクスチャーは和製英語ではありますが先駆け的な音楽はすでに海外にあったようですね。
有名なミクスチャーアーティスト(海外)
Beastie Boys
出典:spopar.com
おそらくロックバンドとヒップホップの融合を初めて海外で成功させたアーティストは「Beastie Boys(ビースティ・ボーイズ)」でしょう。
彼らはロックバンドとヒップホップを融合させる以前から白人で初めて成功したヒップホップグループとも言われてます。
Beastie Boysは1979年(ヒップホップ黎明期)から「Young And The Useless(ヤング・アンド・ザ・ユースレス)」という名義でハードコアロックバンドとして活動しておりましたが、ヒップホップアーティストたちとの交流も深く、1982年に改名。そこから徐々にラップの要素も取り入れてラップ・ロックの基盤を作ったと言われてます。
No Sleep Till Brooklyn / Beastie Boys
曲調はどっからどう見ても完全にロックですね。叫ぶように歌うシャウトボイスっぽい感じはロックって感じがするし、服装は革ジャンにチェーンネックレス、そしてアディダスのスニーカーっていう80年代のヒップホップを思わせるスタイルはロックとクロスオーバーしてる感出てますよね。
Red Hot Chill Peppers
出典:thesheaf.com
90年代以降はミクスチャー的なバンドが増えていき、特に「Red Hot Chili Peppers(レッド・ホット・チリ・ペッパ−ズ)」はロックにラップ要素を取り入れて成功したグループと言えるのではないでしょうか。
Give It Away / Red Hot Chili Peppers
レッチリのライブでいつも爆発的な盛り上がりを見せる定番曲「Give It Away」ではファンキーなロックナンバーでありながらボーカルの「Anthony Kiedis(アンソニー・キーディス)」のガチガチに韻を踏んでいくスタイルはまさにラップとロックを見事に融合させた楽曲と言えるでしょう。
有名なミクスチャーアーティスト(日本)
日本のミクスチャーロックバンドの先駆け的な存在になったのは「Dragon Ash」ではないでしょうか。
Dragon Ash
97年のデビュー当時はどちらかと言えばパンク色が強い印象のバンドでしたが、99年頃からヒップホップの色が強く出始め、当時まだ日本でヒップホップが今より世間に浸透していなかった頃からヒップホップのムーブメントを徐々に広めた存在だと思います。
当時のハードコアなヒップホップリスナーやラッパーからはリアル(本物)ではない。と否定される風潮もしばしばありましたが、今考えれば素晴らしい功績を残された方たちでしょう。
Deep Impact feat. Rappagariya / Dragon Ash
ミクスチャー・ロックは今は日本にも十分浸透している音楽ジャンルの1つです。これはヒップホップという音楽の魅力が他の音楽ジャンルにも伝わっている証拠でしょう。
今後もミクスチャーについては勉強不足なのでもっと調べてみようと思います。更に知識がついたら深掘りした記事なんか書ければと思ってます。
そんな感じ、終わり。