サンプリング音楽に付き纏う「権利問題」を少し深掘り

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nekuradjです。

 

 

今回はヒップホップのトラック(楽曲)を作る上で、欠かせない要素となっている「サンプリング」についての記事です。

 

 

「サンプリング」という手法がどういったものなのか?については以前記事で紹介しております。

 

 

今回はそのサンプリングに付き纏う「権利問題」を少し深掘りしてお話します。

 

 

というのも、国内外で活躍されているビートメイカーのTOMOKO IDAさん(@djtomokoが、非常に勉強になる対談記事を先ほどツイートされました。

 

 

出典:TOMOKO IDAさんのツイートより

 

 

この対談はTOMOKO IDAさんと同じくトラックメイカーのちばけんいちさん(@chibakenichiが著作権法に詳しい大原法律事務所の齊藤圭太弁護士へ様々な疑問を投げかけ法律の知識を学んでいく内容となってます。

 

日本で活動するヒップホップのビートメイカー達にとっては重要な知識となり得ると思いましたので、TOMOKO IDAさんとちばけんいちさん、斎藤弁護士の対談内容を筆者なりにまとめてみることにします。

 

この対談内容は大きく「前編」「後編」に別れており、前編では主に「著作権などの権利関係」「どういったものが権利に触れる要因となるか」についてお話しされており、後編では「著作権フリーの販売サイトについて」「タイプビーツの制作の法解釈」などお話されてます。

 

今回は前半の著作権などの権利関係どういったものが権利に触れる要因となるかという部分に焦点を当てて筆者なりにまとめ記事を書いていきます。

 

是非この対談記事が少しでもビートメイカーたちのお役に立てれば幸いです。

 

 

著作権などの権利関係について

 

 

まずサンプリングしたいネタがあったとして「権利者の許可をとる必要がある」というのは皆さんなんとなく感覚的にあると思います。

 

ただ、このなんとなくある感覚もハッキリさせておく必要がありますよね。齊藤弁護士はサンプリングしたい音源の利用について以下3者との権利関係の調整が必要と話しております。

 

1. 原曲の歌詞や楽曲を作った人
2. 原曲で歌っている(演奏している)人
3. 原曲の原盤を作った人

 

この中の1人でも許諾しない場合、その楽曲をサンプリングすることは許されないとのこと。これがサンプリングの大きな壁となります。

 

では、この3者の中でいちばん権利を有しているのは誰なんでしょう?3者の優劣関係はどうなっているのでしょうか。

 

斎藤弁護士によれば3者の優劣は無いとのことです。

 

まあ3者の内1人でも許諾しない場合は認められない。と言っているのですから、確かにそうか、、、。

 

 

 

レコード会社の絡み

 

それとサンプリング事情で気になるのは「レコード会社」の絡みではないでしょうか。

 

よくサンプリングをしてレコード会社から著作権侵害を主張されるという話を耳にする気がしますが、この辺りはどのような絡みになっているのでしょう。

 

サンプリングしたい部分に実演(音源に含まれる演奏)が収録されている場合、歌っている人、演奏された人などの実演家には「録音権」「送信可能権」という2つの権利が発生します。

 

そしてこの「録音権」「送信可能権」は一般的にレコード会社に譲渡されるそうで、この権利に関しての窓口はレコード会社となるそうです。

 

なので歌っている人、演奏してる人にはもちろん権利はあるが、レコード会社を通して音源をリリースしている場合、権利が渡されているので、レコード会社の許諾も必要。ということなんですね。

 

 

 

さらにややこしい「同一性保持権」

 

楽曲の権利が歌っている人、演奏している人、原盤を作った人、そしてレコード会社にそれぞれあることは理解できたと思いますが、もう1つ重要な権利があるそうです。

 

それが「同一性保持権」という権利で「自分の作った曲を切り取ったり、内容を変えたりしないでください。」といって同一性を守る権利です。

 

これは楽曲内で歌っている人、演奏している人など実演家だけが持っている権利だそうで、レコード会社や他人には譲渡できない権利だそうです。

 

なのでたとえレコード会社が許諾したとしても、実演家が「その曲をそんなに切り刻まないで!」と言われたらサンプリングとして使えなくなってしまう。というもの。

 

ますますサンプリングに対してネガティブになっていきそうですね、、、笑

 

 

 

著作物の考え方、定義

 

そもそも著作物とは思想や感情を創作的に表現した文芸・学術・美術また音楽の範囲に属するものという定義があります。

 

なのでサンプリングした部分を見たとき、そこに音楽的な表現があるか」「創作性や独自性があるかによって結論が変わってくるパターンがあるそうです。

 

斎藤弁護士によれば

例えばサンプリングする部分が「ド」という1音だけだとしたら、これには創作性はないですね、ということになる。その「ド」を抜き出すことに対しては曲を書いた方の許諾はいらない、著作権の侵害はしていないということになるんですね。

では「ドレミ」には創作性があるのか。もし「ドレミ」だけを聴いて、これは誰々の曲のあの部分だよねと分かる創作性があるのであれば、その3音だけだったとしても作曲家の許諾がいることになってくるんです。

引用元:対談記事より

 

とのこと。

 

じゃあそういう抜粋の仕方をすればいいのか。と思いますよね、、、

 

しかし、レコード会社から出ている楽曲である以上、レコード会社の持っている「原盤権」という権利で考えると1秒でも抜き出すのであれば許諾が必要という考えに当てはまってしまいます。(いろんな権利があるんですね、、、笑)

 

サンプリングや引用って「◯小節までならなんとなく大丈夫」みたいな感覚がある方も多いと思います。まあ暗黙の了解で、、、って話ですが。笑

 

それではやはりダメなんですね、、、。

 

ただし街の音(人の声や足音、車の音、風の音など)に関してはメロディでない限り「それ自体に創作性はない」ので著作権は発生しないとのこと。単純なアナウンス音(電車や空港のアナウンス)とかもこれに当たるそうです。

 

 


 

 

いかがでしょうか。サンプリングして音源を作るには、やはり非常に厳しいルールがあることがわかりますね。

 

でもトラックメイカーはもちろん「良い音楽を作りたい」という一心でサンプリング・ミュージックを作っていると思います。

 

斎藤弁護士も話しておりますが、これはあくまで最終的に法的な話になった時に出てくるものであって、いくつものステップを踏んでそこに行き着くということ。

 

サンプリングに限らず、音楽を制作している中で意図せず著作権を侵害してしまっている場合でも、そこにすぐ警察がやってきて捕まるなんてことにはならないです。

 

たとえクレームが入ったとしても「わかりました、ではやめます」と言って事態が収まるケースがほとんどだと思います。実際日本においてはサンプリングが原因で訴訟に発展した事例はまだ無いとのこと。

 

「気にせずに」とまでは言いませんが、権利関係の知識として頭の片隅に置いておいていただければと思います。

 

 

 

 

 

日本のトラックメイカーに一言。

 

まだまだ創作意欲を高めて、良い音楽を作り続けましょう。笑

 

 

 

 

 

それは今回はこのへんで。

 

 

 

 

 

最後までご覧いただきありがとうございます。

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