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ヒップホップ「和物サンプリング」がかなりカッコいい件

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HIPHOP 全般

 

 

nekuradjです。

 

 

前回はヒップホップにおける「サンプリング」という作曲の手法について簡単にご紹介しましたが、今回はそのサンプリングの元ネタの中でも日本の曲を使って作られたトラック(曲)をいくつかご紹介してみたいと思います。

 

 

巷では日本の曲をサンプリングして作ったトラックを「和物サンプリング」と言ったりします。

 

 

 

基本的にサンプリングって、古いジャズやソウルのレコードを元ネタに作られることが多かったりするんですけど、ここ数年では割と最近(90年代以降)のポップスの曲を使って作られることもしばしばある印象です。それだけサンプリングしたいと思えるような個性的で多彩な音楽が世の中に溢れているということでしょうね。

 

 

あんまり知られてませんが、日本の音楽も海外ではサンプリングのネタとして結構引用されているんですよね。日本って古い音楽っていうと和楽器(琴、三味線、尺八、琵琶など)があります。こういう和楽器の音色って海外の人たちには馴染みがない分、ちょっと変わったトラックを作りたい人たちにとっては結構魅力的な音楽だったりするはずです。

 

 

決してメジャーなサンプリングとは言えませんが、筆者は和物サンプリングのトラックが結構好きなので、ぜひ魅力をお伝えしたいと思います。

 

 

 

Tried By 12 / East Flatbush Project

Tried By 12 / East Flatbush Project

 

和物サンプリング界隈のクラシックとも言える、ニューヨークのブルックリン、フラットブッシュ地区出身のヒップホップ・プロデューサーEast Flatbush Project(イースト・フラットブッシュ・プロジェクト)がMCのDesを客演に招いた代表曲です。元ネタを聴かなくてもなんとなく琴っぽい音色がいかにも「和物っぽい」雰囲気がじゅうぶん伝わりますよね。

 

 

(元ネタ)SAKURA / ODETTA
 

 

こちらがTried By 12の元ネタである「SAKURA」という曲です。この曲自体はアフリカ系アメリカ人のフォークシンガーODETTA(オデッタ)による日本の童歌「さくらさくら」のカバー曲になります。なので正確には日本の童歌のカバーをサンプリングした「孫サンプリング」という扱いになるでしょう。この曲(SAKURA)で使用されているのは「大正琴」という和楽器だそうです。イントロの2小説ループと乾いたリムショットの組み合わせに中毒性があってつい聴き入ってしまいます。

 

 

和物サンプリングでありながら国内外で高い評価を受けている「Tried By 12」ですが、タイトルの直訳は「12によって裁かれる」という意味になります。お気付きの方もいると思いますが、これはアメリカ合衆国連邦裁判所が陪審員を12人と定めていることから「裁判によって裁かれる」という意味になります。リリック(歌詞)もけっこう重いハードコアな内容になっているので、気になる方は是非調べてみてください。

 

 

 

Dump The Clip / Army of the Pharaohs

Dump The Clip / Army of the Pharaohs
 

 

Army of the Pharaohs(アーミー・オブ・ザ・ファラオズ)というペンシルベニア州、フィラデルフィアで結成されたヒップホップ・コレクティブです。メンバーには今では珍しくありませんが、当時数多くの女性ラッパーに影響を与えたBahamadia(バハマディア)や、DJ KRUSHさんも好きだったと言われるVirtuoso(ヴァーチュオーソ)などが所属していたグループとしても有名です。

 

 

「Dump The Clip」の元ネタですが、これは和物と言っても先ほどのような和楽器の音色ではなく、特撮怪獣映画でお馴染み東宝映画「ゴジラ」のテーマソング「ゴジラマーチ」です。

 

 

ゴジラマーチ / 石川進
 

 

(サンプリング部分をお聴きいただくため、0:51辺りから再生されます。)

 

当時のヒップホップのプロデューサー達ってこういう音楽をどこで入手してくるんでしょうね、、、それにしても聴けばわかる、イントロから大胆なサンプリングには最初誰もが衝撃を受けたことでしょう。でもこれはこれでクールですよね。筆者は一時期これヘビロテ曲でした。笑

 

 

 

Dark Fantasy / Kanye West

Dark Fantasy / Kanye West
 
はい、きました。言わずと知れた(良い意味で)変態プロデューサー兼ラッパーのKanye Wesst(カニエ・ウェスト)

 

 

もう破茶滅茶に(良い意味で)キモすぎる天才音楽プロデューサーです。筆者自身カニエのセンス(発言、音楽性、ファッション性など全て)に毎度影響受けてます。カニエの魅力についてはまた別の機会に記事にしたいと思います。

このDark Fantasyの元ネタがこちら。
梶 芽衣子 / 銀蝶渡り鳥
 

 

 

1972年に公開された梶 芽衣子さん主演映画「銀蝶渡り鳥」の主題歌です。・・・って、こんなネタいつどこからどうやって掘ってきたんだよ!ってツッコミ入れたくなりますよね(笑)

 

 

50年近く前の映画ですよ。今の日本人だって知ってる人そう多くないでしょ。

 

 

Dark Fantasyが収録されたアルバム「My Beautiful Dark Twisted Fantasy」のリリース後、テイチク(テイチクエンタテインメントという日本のレコード会社)が銀蝶渡り鳥をサンプリングしていることをカニエに訴えたというニュースがありましたが、真相についてはあまりわかってません。(サンプリングではなく弾き直しによるものだと主張はしていたそうですが、、、)

 

 

 

24 Freestyle / Logic

24 Freestyle / Logic
 
こちらも日本の和楽器を想像させる音色が特徴のトラックですね。

 

 

アメリカ、メリーランド州のロックビルという地区で生まれ育ったLogic(ロジック)というラッパーの曲です。見た目はナードな今でいうオタクっぽい風格なんですが、かなりスキルフルなラップをしており、現役のアメリカ人ラッパーの中でもラップのセンスが相当高いと評価されている人物です。

 

 

彼は黒人の父親と白人の母親のハーフとして生まれますが、生みの親である母親から酷く人種差別を受け、さらに父親もドラッグ中毒者というかなり過酷な家庭環境で育ってきた人物であり、そんな生活環境から脱却するため親友の支えを借りて音楽活動に打ち込むようになったといいます。

 

 

Logic

出典:bmd.black

 

 

24 Freestyleの元ネタとなったのがこちらの曲です。

 

 

陰と陽 / 村岡実

 

日本の尺八奏者である村岡実さん「陰と陽」という曲です。1970年に録音された奇跡のアルバムとも言われる「BAMBOO」というLPに収録されております。国産ミクスチャー・ジャズの極地です。

 

 

 

 

 

ということで今回はこの辺で締めたいと思います。和物サンプリングで作られた曲ってけっこうカッコいいトラック多いですよね。中には大胆なサンプリングも存在しますが。笑

 

 

ちょっと紹介する数が物足りない気もしますが、この記事は続編を作って今後も紹介していきたいと思ってます。

 

 

 

 

 

最後までご覧いただきありがとうございます。

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